データベース利用者ヒアリング調査
服飾資料のデータベースの使用者は、今後構築が求められるファッションデザイン・アーカイブの利用者となる可能性が高い。そこで、服飾資料を研究する大学院生をアーカイブの利用者と想定し、データベースの使用について、またアーカイブの中心的機能となる分野内における横断的データベース(各館の公開データベースを横繋ぎしたもの)の有用性について尋ねた。
ヒアリング調査先
共立女子大学大学院 調査日:平成28年7月1日(金)
①対象者
服飾資料を研究する大学院生5名
②結果
・博物館・美術館のデータベースを研究目的で使ったことはほとんどない。
理由①公開情報のあり方が施設ごとに異なるため、必要な情報を引き出すことが困難。
・施設ごとに検索方法が異なる。
・資料画像が不鮮明であり使用にたえない。
理由②研究者利用を想定していないため、検索により得られる効果も限定的である。
・名品紹介的なデータベースが多く、資料の数も情報の量ももの足りない。
・海外の博物館・美術館のデータベースは利用する。
理由:海外資料の情報を得る手段は限られており、その中でインターネットが最も便利である。
・書籍、新聞、論文のデータベースはよく利用する。
理由:書籍はデジタル化された数も多いため、目当ての資料がみつけやすい。
タイトルや著者、発行年など確定的な項目が多く、検索しやすい。
・研究利用をなす立場から、博物館・美術館のデータベースに求めるもの
・資料については高精細画像を整備して欲しい。
・所蔵資料を網羅的に掲載して欲しい。
全所蔵品の掲載が難しければ、その割合、または掲載基準を明記して欲しい。
・法量の取り方、記録の仕方について、各施設が共通認識をもって進めて欲しい。
・分野内横断的データベースの必要性
ぜひ利用したい。上記課題が解決したものであることが望ましい。