ファッションデザイン・アーカイブとは

「アーカイブ」の捉え方は分野、或いは研究者ごとに大きく異なるようである。ここでは、先行他分野におけるアーカイブ例を参考としつつ、本事業の調査で知られたファッションデザイン資料の利活用の現状に即したアーカイブイメージの具体化を目指した。事業の性格上、構想の提示に止まるものであり、検討の余地を残すものであるが、概要を示したい。

要諦のみ示せばそれは「資料の利活用を促すための調査・研究ツール集」である。各館の所蔵資料データベースのリンクを貼り付けた一括検索システムを核として、このほかにも同資料を調査、研究する際に有用となるであろう情報を集めた目録、データベースを配し、それらすべてにひとつの窓口から接続できることが理想である。

想定すべき利用者は幅広く捉えている。国内の研究者、一般利用者に加え、近年和装を中心に日本の服飾文化への関心を高める海外からのアクセスにも応えることを目指したい。そのため掲載情報の一部については、一般利用者向けの平易な表現や他言語を含む複数の発信方法を用意することも必要であると考えている。